理論入門のタイミング

MJの気をつけていることの一つに、
「早まって教えない=タイミングを待つ」
があります。
 

子どもの感覚を捉え、測り、
教えるタイミングを待ちます。
 

実は「教える」タイミングは、
大きな個人差があり、
教育上非常に興味深いところです。
芸術の場合は特に、
年齢度が早くても遅くても、
個々で最適なタイミングがあるはず。
 

自由度が高い方が良い、とか、
理論に興味を持たないなどの場合は、
教えずに成長したっていいのかな、
とは思いますが、
その場合は
「そろそろ理論も知っておくと、
自らの感性の具体化だけでなく、
周りの理解も深まり、
より視野が拡くなる」と
勧めたりします。
やはり、知っておいた方がいい、
と思いますからね。
 

今日はそんな観点からのエピソード。
 

【子どもの音楽理論の世界入門のタイミング】
 

まず、音楽理論とは。
 

MJでは、音楽理論とは、
歴史上であまたに存在する音楽を、
後世の研究者が共通点を見出し、
それを理論化してきたもの、
と考えています。
 

MJでは、音楽理論は、
音楽を理解するために、
いわば効率的に学ぶために
覚えた方がいいものと捉えます。
 

しかし、一方で、
未だ感性に響いていない、や、
その器の用意が無いなどの時点で、
理論を先に教えてしまうと、
例えば方程式を先に覚えてしまい、
子どもの感性や、
考える独自プロセスを奪ってしまう、
それと同じようなことに繋がる、
とも考えています。
 

【先日のMJエピソードをご紹介】
 

機能和声で書かれた
19世紀のフランスの作曲家の
練習曲集があります。
その曲集では、
各曲の冒頭に4〜6小節の予備練習があり、
TSDTDTというカデンツで書かれています。
 

———
 

注)カデンツとは音楽でいう文章の形のようなもので、
主語-目的語-述語のように、
トニック-サブドミナント-ドミナント
などという和音(コード)の機能で表します。
 

カデンツでいわれる一般的な作用は以下↓
T…トニック(安定)
S…サブドミナント(移動、色彩)
D…ドミナント(緊張)
 

———
 

先日、その中のある曲を弾いていた小2生、
いつも何の疑いも無く弾いている予備練習が、
この曲だけ何か違うことに気付きました。
TSDT「S」Tとなっていることは私にはわかりましたが、
彼女は知らないこと。
 

その彼女の反応
「何か違うよ、先生」
 

最後の2つ、
通常ではD-Tとなっている部分が、
この曲ではS-Tとなっていること…
 

この時が、
まさに機能和声を教えるタイミング!
 

S-Tを弾いた彼女、
「この最後、いつもより優しい感じがする」
じゃ、D-Tにしてみよう。
「なんか、強いね」
 

待っていた、彼女自身から放った
「タイミング」でした。
 

これから
具体的な和音の機能、
ハ長調を始めとする24の調性、
音程のこと、音律のこと。
様々なことを知るための冒険が、
具体的に始められます。
 

これは個人教授だから出来ることともいえます。
そうなんです、子どもたちのために、
この自由度だけは譲れません。
わーい、楽しみが尽きません!
 

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2:03 PM , 28/01/2018 理論入門のタイミング はコメントを受け付けていません。
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