久々の音楽徒然

久々の音楽徒然

弾く曲の背景を想像したくて、「絵画」を見ることがよくあります。
 
楽曲も絵画も、19世紀後期から20世紀の時代の作品が、主に私の好みです。ということは、録音技術が開発されるより前の時代の作品を弾くことにわりと偏りめ、と。

 

それはつまり、作曲家や当時の演奏家による参考音源が残っていないことが多い、となる。一方で「絵画」は見ることができる。「写真」の出現はもう少し先になりますね。

 

何より「絵画」は使われている顔料成分から歴史的背景まで、読み取れることが非常に多く、沼にハマりがちです。政治的背景、作曲家のフィクションかノンフィクションかを皮切りに、当時の虫からこんな綺麗な色が生まれるの!とか、云々。

 

そしてそれは奏でるための研究素材として活用でき、少なくとも自分の中では演奏に反映させたいとなっています。

 

もちろん、歴史書などの書物もありがたいですが、何よりめんどくさがるという面倒な性格を持つ自分には、読むより絵を見るという行為の方が合っているようで、自宅の壁は写真のようになっています。(といいつつ、あれば当時の戯曲も好みということは加えつつ…)

 

つい先日、家族の友人がその画集の棚を見て、歓声を上げてくれました。その人は18歳。彼は「すみません、見ていいですか?」とレオナール・フジタや若冲の画集を手に取って、食い入るように見ていました。そして、この白がいい、とかこのコレクションを見に京都まで行ったのだなど、言葉を選びながら感動をこちらに伝えるのです。

 

ふと、思い出しました。ただ、絵から読み取った何かを音楽の解釈素材として生かすだけではなく、ああ、そうだった、音楽は「感動から生まれる」ということを。若い人の感性が、俯瞰してみすぎる傾向のある中年のひとりの何かを、揺さぶってくれました。おお、ありがたい。

 

そして、おお、そうだ、「感動」だ。

 

でも、感動はしたくてできるものでもないですしね。

 

そんなこんなで、今日もムハ(ミュシャ)やチェコ・デザイン書を片手に、ドヴォジャークと色々面倒なことがあったみたいでこちらも興味深い「ヴィーチェスラフ・ノヴァークさんの作品」をいそいそと弾き出しています。スロバキアの、とある夜の空気の冷涼さ、が今は浮かんで来ている。そのストーリーは、何ぞ。

 

そんなこんなで、今宵はプシトロスさんのチェコ・ワインを開けますかな。

 

 


 

#ピアノ弾き徒然
#音楽
#音楽と絵画
#チェコ
#スロバキア
#5月にコンサートあります
#来てね

11:24 AM , 12/04/2024 久々の音楽徒然 はコメントを受け付けていません
designed by fortissimo inc.